免疫力は20歳辺りをピークにして、徐々に低下していきます。
なぜ体の老化に伴って免疫力が低下していくのかというと、それは免疫細胞を作る力が衰えることによって、免疫細胞の数が減少してしまうためです。
免疫力が低下するとどのようなことがおこるのかというと、ウイルスや細菌などの病原体に対する抵抗力が弱まります。
それによって、若いころなら体に入っても問題のなかった弱い病原体さえ感染症の原因となってしまうのです。
また、免疫機能は身体に起こった炎症を鎮める役割も担っているのですが、この機能も低下してしまうため、一旦感染症にかかってしまうと長引いてしまい、重症化してしまう危険性が高くなります。
免疫力の低下によって感染しやすくなる病気の中で、ウイルス性の感染症以外にも、さまざまなものにかかりやすくなり、また悪化のリスクを伴うようになります。
例えば、歯周病原性菌と呼ばれる細菌によって歯肉組織に炎症が起こる歯周病も、炎症を抑える力が弱まるために進行しやすくなってしまいます。
また、がん細胞が発生しても、免疫力が強ければ破壊できるのですが、その能力が弱まってしまうため細胞が分裂・増殖し、がんを発症しやすくなるのです。
このように、免疫力の低下は感染症を含むさまざまな病気にかかりやすくなり、重症化・重篤化してしまうリスクに繋がります。
高齢者の免疫力の低下を完全に防ぐことは不可能ですが、低下の進み具合を緩やかにすることはできます。
質の良い睡眠とバランスの良い食事、適度な運動を日頃から心掛け、ストレスを溜めずに笑顔で過ごすようにしましょう。